千本松原(せんぼんまつばら)は静岡県沼津市の狩野川河口から、富士市の田子の浦港の間約10kmの駿河湾岸(正式名称富士海岸、通称千本浜)に沿って続いている松原です。海岸沿いに美しい黒松の林が続く景勝地であり、松原の向こうにそびえる富士山は、駿河湾越しに見るものとはまた違った趣があります。また霊峰富士を背景として駿河湾を望み、三保松原、大瀬崎、あるいは達磨山、真城山など伊豆の山々を遠望できます。
その由来は、戦国時代、戦で防風林が切り払われた際に、潮風に苦しむ農民の姿を見た千本山乗運寺の開祖・増誉上人が植えたものと伝えられます。富士山を臨むそのすばらしい景観は、若山牧水や井上靖など幾多の文人にも愛されてきました。
現在、木々の鮮やかな緑や木漏れ日が美しい松林には、千本浜公園から原まで続く遊歩道が整備されており、散歩やジョギングを楽しむ人々に親しまれています。
千本(松の本数)とはいうものの、現在は30数万本以上あるといわれます。
森林には、きれいな水を生み出す働きや土砂災害の防止、二酸化炭素の吸収(地球温暖化の防止)、野生生物の生息の場の提供など、木材を生産する以外にも環境資源として様々な働きを持っています。
『静岡悠久の森構想』は、これらの環境資源としての森林を、県民の皆さんの参加を得ながら、より豊かな森林へと育て、次の世代に継承することを目的としています。現在では、19箇所、1,800ヘクタールが指定されています。
沼津市の旧国道1号線(県道380号線)南側の海岸沿いに位置し、東西には遊歩道が配置され、ジョギングや散歩を楽しむ方が多い森林です。
森と竹で健康クラブでは、沼津港から富士市境までつづく千本松原のうち県有林西部の約8ha(沼津市の西部植田、桃里地区)を対象に整備活動を行っています。
活動内容は、植樹、下草刈、林内清掃、パトロー ル等です。
防災機能を始め、市民の憩いの場として親しまれている千本松原は、沼津市の象徴であるとともに、全国に誇ることのできる大切な海岸松林です。千本悠久の森(県有林)において、地域と行政が一丸となり、この大切な松林を守っていく動きが始まりました。
このための協定締結式を、平成22年8月18日(水曜日)に東部農林事務所で行いました。 協定団体は、 六軒町自治会(地元自治会)、チーム絆の森いっぽんまつ(地元自治会有志)、 森と竹で健康クラブ(森林ボランティア団体)です。